【日常ドラマ】ブランケット・キャッツ/重松清

✓ 前向きになりたい人
✓ ほっこりした気持ちになりたい人

短編集です!
あらすじ
馴染んだ毛布とともに、2泊3日だけ我が家に「ブランケット・キャット」がやって来る。
リストラされた父親が家族のために借りたロシアンブルー、子どものできない夫婦が迎えた三毛、いじめに直面した息子が選んだマンクス、老人ホームに入るおばあちゃんのために探したアメリカンショートヘア――。
「明日」が揺らいだ人たちに、猫が贈った温もりと小さな光を描く7編。
感想
「花粉症のブランケット・キャット」、「助手席に座るブランケット・キャット」、「尻尾のないブランケット・キャット」、「身代わりのブランケット・キャット」、「嫌われ者のブランケット・キャット」、「旅に出たブランケット・キャット」、「我が家の夢のブランケット・キャット」の7編の短編集!
「レンタル猫」というシステムに動物愛護的に大丈夫かな??と思いつつも、
ファンタジーやフィクションと割り切れば、面白い設定です♪
不妊治療、癌、いじめ、介護、火事、再婚のステップファミリー、リストラ。
と、日常に抱える重めの問題をテーマにしています。
そんな悩める人たちのもとに二泊三日でやってくるレンタル猫たちが、ふっと緊張を緩めてくれます!
なかでも私が好きな2つを紹介します。
「嫌われ者のブランケット・キャット」
あるマンションの大家さんにレンタルされる猫。
その猫は「ペット禁止」のマンションにいるペットたちを次々に見つける。
「ペット禁止」を破った飼い主たちは、マンションを追い出されてしまいます。
大家さんと猫、意外な関係性と悲しい過去。
頑固で意地悪なだと思っていた大家さんの一言、に感動します。
「一人前になって、ちゃんと働いて、金を貯めてから、出ていけ」
p267「嫌われ者のブランケット・キャット」 ブランケット・キャット/朝日文庫
「旅に出たブランケット・キャット」
短編集の中で人気のお話。唯一猫の視点で書かれています。
実はこの猫ちゃん(タビー)は、「身代わりのブランケット・キャット」と同一の猫だと思っています!
アメリカンショートヘアーという種類も6歳という年齢も同じなので、一緒なのかな??
性格もお利口さんで、飼い主の要望に沿ってあげるのが上手なところまで似ています!!
そんなタビーは、遠い祖先を感じ旅に出てしまいます。
自由な猫の性格を表しているような気がして好きです。
ニンゲンなんて、たいした連中じゃないさーー。
p272 「旅に出たブランケット・キャット」 ブランケット・キャッツ/朝日文庫
ニンゲンを冷めた目で見ているのは、ちょっとタビーらしいかな?
悩んでいたことも、少し力を抜いて向き合えるお話です!