【ミステリー】ホワイトラビット/伊坂幸太郎
✓ 伊坂幸太郎ファンの人
✓ 手の込んだミステリーが好きな人
✓ ミステリーｘエンターテイメントが好きな人
手の込んだトリックで読み応え満点◎
やや癖のある表現で好き嫌いが分かれるかも？？
楽しさを追求したら、こういう小説になりました。最新書き下ろし長編は、予測不能の籠城ミステリーです！
仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。息子への、妻への、娘への、オリオン座への（？）愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていく――。「白兎（しろうさぎ）事件」の全貌を知ることができるのはあなただけ！ 伊坂作品初心者から上級者まで没頭度MAX！ あの泥棒も登場します。
感想
有名な小説家である、伊坂幸太郎さん。
つぎつぎにヒット作を生み出し、好きな作家さんランキングでは上位に君臨しています。
作中でも触れられますが、「レ・ミゼラブル」の作者が物語を進める手法を用いています。
一風変わった語り口なので、慣れないと違和感を感じてしまうかもしれません……
しかし、この語り口もクセがあって面白い！！
物語にユーモアがあふれていて、読んでいて思わず口もとが緩んでしまいます笑
そして緻密なミステリー。
物語の最後には、「え？こういうことだったの！？」と驚くこと間違いなしです。
「あの小説って、ところどころ、変な感じですよね。急に作者が、『これは作者の特権だから、ここで話を前に戻そう』とか、『ずっとあとに出てくるはずの頁のために、ひとつ断っておかねばならない』とか、妙にしゃしゃり出てきて」
p34 ホワイトラビット/新潮文庫
黒澤、今村、中村の「レ・ミゼラブル」についての会話。
ほんとうに、こんな感じでホワイトラビットも話が進んでいくので、違和感を感じる人もいるかも。
でも、これがこの作品の良さでもあります！！
「すでに起きている出来事も、時間がずれないと見えないわけだ」
p49 ホワイトラビット/新潮文庫
黒澤の一言。黒澤は作中で最も冷静に物事を判断している人物なので、このセリフにはあっぱれ！
ここは物語のキーワードです！！！
仙台市で起きた人質立てこもり事件、通称「白兎事件」の陰に隠された、「オリオオリオ探し」。
全ての謎が解決して、この一文に物事が集約されると感じること間違いなし！！
「そういう無駄なところが、物語を豊かにするんだから」
p205 ホワイトラビット/新潮文庫
夏之目親子の会話。
父は「レ・ミゼラブル」の語り手の説明の多さにわずらわしさを感じていたが、娘のこの返しが一枚上手です。
このセリフを通して伊坂幸太郎さんが、読者に作品の良さを伝えている感じがしました。
「仕事ってのは」（中略）「人の人生の大半を食い尽くす化け物みたいだな」p233 ホワイトラビット/新潮文庫
夏之目課長のセリフにすごーーーーーーく共感！！！！
と、おもって私なりに調べてみましたが……
人生70万時間、睡眠20万時間、労働時間10万時間。人生を100%だったとしたら、労働時間はたったの14%
あれ？思っていたより少ない……
人生仕事中心になってしまっている！！！と思って、急遽ホテルのスパを予約して豪遊してしまった……
でも警察官の方々はきっとプライベートな時間もなく我々市民の安全を守ってくれているんですね。
ありがとうございます_(._.)_
最後に衝撃の展開に驚くこと間違いなし！！
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