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【アートミステリ】リボルバー/原田マハ

2021/07/23
 
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こんな人におすすめ

✓ゴッホ、ゴーギャンが好きな人
✓アートが好きな人
✓原田マハさんが好きな人

ちゃんなお
ちゃんなお
大好きな原田マハさん!
人物の心情が濃厚に
書かれています!

あらすじ

誰が引き金を引いたのか?

「ゴッホの死」。アート史上最大の謎に迫る、著者渾身の傑作ミステリ。

パリ大学で美術史の修士号を取得した高遠冴(たかとおさえ)は、小さなオークション会社CDC(キャビネ・ド・キュリオジテ)に勤務している。週一回のオークションで扱うのは、どこかのクローゼットに眠っていた誰かにとっての「お宝」ばかり。
高額の絵画取引に携わりたいと願っていた冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれる。
それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。

「ファン・ゴッホは、ほんとうにピストル自殺をしたのか?」
「――殺されたんじゃないのか?……あのリボルバーで、撃ち抜かれて。」

ゴッホとゴーギャン。
生前顧みられることのなかった孤高の画家たちの、真実の物語。

幻冬舎公式HP

史実をベースにしたフィクション小説です。

アート小説といえば、原田マハさん。

ゴッホに焦点を当てた「たゆたえども沈まず」を読んだ時に、画家の人生をこんなにもドラマチックに描写できるのかと衝撃が走りました。

それからズブズブと、原田マハさんとアートの底なし沼にはまり込んでいます。(いい意味です笑)

ゴッホの死については自殺説が有力ですが、動機やリボルバーの入手経路が不明で美術史の謎。

そのリボルバーが2019年にパリで競売にかけられ世界中で話題に。原田マハさんもそのオークション会場に駆け付けていました。(原田マハの展示室HP/インタビュー

ゴッホとゴーギャン。2人の関係はもちろん、冴と他の登場人物のキャラを深くまで掘り下げられて物語に厚みを持たせています。

歴史をさかのぼって登場人物の背景や心情を重厚に書き、情熱的でありながらも感傷的になる”リボルバー”の謎を紐解く本作は、アート小説のパイオニアといっても過言ではありません。

「でも、絵を見るってそういうことかもね。目には見えない、画家が絵筆に込めた情熱……みたいなものを、絵を通して受け取る、っていうか。

お母さんは、絵を見ていると、いつのそういうの、感じるのよね。

冴も、画家から何かを受け取るつもりで、絵に向き合ってみたらいいよ。

あれは複製画だけど……いつか一緒に、パリに本物見にいこうね」

p10 リボルバー/幻冬舎

学生時代の冴とお母さんの会話。

複製画ももちろん素敵です。ですが、現物画では油絵のタッチ・作品の”生”の声・美術館の厳かな雰囲気が合わさって画家の息づかいを感じられます。

原田マハさんの著書にはたびたび、美術館に作品を見に行く=友達(絵に宿る作家の魂)に会いに行く。と表現されています。

美術館へ行ったときは、画家からのメッセージを受け取れるように感性を磨きたい……!!

〈兄の絵には驚くべき新しさがある。 でも早すぎるんだ。

次に描くべきものが何なのかわかっていて、どんどん先へ行ってしまう。

待っていられないんです、時代が彼に追いつくのを〉

p240 リボルバー/幻冬舎

原田マハ/たゆたえども沈まずを読んだ私は、このテオのセリフに胸がぎゅゅゅぅぅぅうううって締め付けらました。(感涙)

生きている間に絵はほとんど売れなかったけど、信念をもって書き続けるゴッホ。
兄の才能を信じて支援をし続けた、テオ。

ゴッホは今の絶大な人気に驚くでしょうか?
テオは兄を信じてよかった。と思うでしょうか?

ゴッホ、生きている間に有名になって報われてほしかったぁああ!!
だって、絵具を買えないから、絵具と絵を交換していただなんて。。
精神的にも病んでしまったゴッホ、生きている間に報われてほしかった!!!

1887年 フィンセント・ファン・ゴッホ 「タンギー爺さん」

ちなみにこれがゴッホが画材屋さんの肖像画を描いたものです。
背景に日本画があるのに注目してください!
当時は日本画が大流行。ゴッホもその魅力に取り込まれた一人です。

日本画がゴッホに影響を与えたって日本人として嬉しいですね!

冴はかすかに口を開いた。目の前に閃光が走った気がした。

ゴーギャンが愛したのは妻だけではない。ー彼には複数の愛人がいた……

p161 リボルバー/幻冬舎

ゴッホよりも、ゴーギャンに焦点を当てた本作。
ゴーギャンの子孫という「X」は謎だらけ。冴は文献を調べゴーギャンには複数の愛人がいたことを突き止める。
しかも中には10代の少女まで!今だったら犯罪だよ!?という感情を抑えつつゴーギャンの作品を紹介します。

1888年 ポール・ゴーギャン 「ひまわりを描くヴァン・ゴッホ」

この絵を描いた後に二人の共同生活が終わってしまうのです……

1892年 ポール・ゴーギャン 「パラウ・アピ」

こちらは、ゴーギャンの第一タヒチ時代の絵です。
ゴーギャンはパリから離れたタヒチに楽園を求めに2度訪れました。

作中にこのタヒチでの場面が多く登場します。
タヒチは”リボルバーの謎”において重要な鍵となる場面になります。

原田マハさん著書のリボルバー。
苦い友情と嫉妬。時を超えて明かされます。

原田マハさん好きの方にとっては、おすすめの一冊です!!

 

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